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コンサルティングの進行方法


具体的なコンサルティングの進行方法

クライアント(発注者さん)にとってイメージしにくいことは、

「コンサルティングって具体的にどうやるの? 自分は何をやって、アナタは何をやるの?」

ということもわかりづらいと思います。このページでは、具体的な進行方法を例を使って説明します。なお、これは1つの例であって、必ずしもこれが典型パターンだ、というわけでもありませんこと、ご理解いただければ幸いです。

 


コンサルティングの進行と予算

ここでは、コンサルティングがどのように進行し、実際に価格はどれくらいになるかというのを例示いたします。あくまでも「例示」であることご理解ください。こういう進行の仕方もコンサルティング会社のノウハウの1つなのですが、あえて明示します(S&Tのノウハウはこういう部分以外にもふんだんにありますので)。

弊社の見積もりは「時間単位」になります。1時間10万円、というタイムチャージです。例えば30時間なら300万円、15時間なら150万円というシンプルな見積もりです。事前に見積もることも可能ですが、その場合も時間の見積もり(=価格の見積もり)ということになります。

23区内の場合であれば、上記のシンプルな掛け算で結構です。移動時間が片道1.5時間以上かかる場合、前泊が必要な場合は、移動・宿泊実費と、時間拘束料をいただく場合もあります。

 


コンサルティングの進行パターン

当社(以降S&T)の使い方は発注者さんの課題とニーズに応じてその都度最適に、となりますが、ここでは、今までの使われ方で効果的と感じたものを例として取りあげます。なお、ここでの進行例は、あくまでも「例」であり、理想型を提示している、というわけではございません。進行と予算をイメージしやすくするための例としてお考えください。

 

1)「社長の右腕」パターン

ここでの設定は、社長さんが抱えている課題をS&Tが「ディスカッションパートナー」兼「経営企画室長」のような立場でお役に立つパターンです。

ハーバードMBAなどの人材を経営企画室長などに抱えられる会社は、そう多くありません。東証一部上場企業でも3割も無いと思います。そういう方々は高給取りですので、雇うとなると給料以外にも様々な費用がかかります。そのような費用を変動費としていいところどりをするような感じで使えます。


設定は、数十億円〜数百億円規模の会社の社長さんが、悩みを抱えているというものです。社長は孤独な職業で、対等に悩みを相談する相手が欲しいものです。社長室(室長含めて3名)はありますが、数字を集計したりする部署で、あまり戦略的な知見・経験が無いとします。経営企画室と言っても、実際にはExcel計算部隊だったりすることは一部上場企業レベルでも少なくありません。そこで、会社の方向性を相談したいということでS&Tに白羽の矢をたてました。

大体1回のミーティングは2〜4時間になります。時間を合わせて表記しておきます(2H=2時間、ということです)。

予算は300万円とすると、そこで30時間という時間設定になります。

期間は2〜3ヶ月のイメージです。

あくまでもご参考、例えばの例としてお考えください。状況も、ありうるパターンではございますが架空のものです。

○Day0:依頼

ご参加者:社長室長

コンサルティングを依頼したい、ということでS&Tに社長室長さんが来社。会社の状況、課題の説明をいただきます。そこでS&Tが価値が出せるかどうか(発注者にとって発注する価値があるかどうか)をS&Tの経験に照らし合わせて判断し、可能であればお引き受けします。ご予算の提示をいただくか、ご相談内容からS&Tからお見積もりします。

契約書やNDA(守秘義務契約)を確認し、第1回目のミーティングを設定します。


○Day1(2H):初回顔合わせ

ご参加者:社長、社長室長

社長との最初のミーティングです。社長室長さんは社長のことをご理解していても、実際に社長さんと話すと、やはり課題認識に若干のズレがあることがわかります。

このときは、S&Tは聞き役に徹します。業界のこと、会社のこと、会社としての課題をヒアリングすると、2時間くらいはあっという間にたってしまいます。

戦略BASiCSの説明をS&Tから行い、このフレームワークで戦略を確認・考えるということで良いかどうかを確認します。

次回までにご用意いただきたい資料を社長室長に依頼します。


S&Tの指定図書(経営戦略立案シナリオ)をお渡しし、次回までに熟読するよう依頼します。社長には、次回までにこれに基づいて「会社の理想像」を考えていただきます。

○Day2(4H):理想的な戦略BASiCSと現状の戦略BASiCS その1

ご参加者:社長・社長室長

2回目の社長ミーティングは、まずは理想的な会社像を確認します。「例えばどんな顧客をイメージしていますか?」「その際の価格はいくらくらいですか?」などとS&Tが質問しながら、会社としてのあるべき姿をヒアリングします。

このあるべき姿は、後ほど変わるかもしれませんが、まずは理想像を思いのままに話していただきます。このとき社長室長がいらっしゃると話しにくい場合には、社長とS&Tのサシで話をします。

次に、現状の戦略BASiCSを確認していきます。

・競合は誰か?
・自社の独自資源、強みは何か?
・顧客の現状は? 
・自社の営業体制・営業ツール・広告・販促は?

など、業種業態に合わせてS&Tが適宜言い換え、考えながらヒアリングしていきます。

このあたりで再度社長室長に入っていただくかもしれません。ホワイトボード、A3の紙、ポストイットなどを使いながら、会社の現状を把握していきます。この時点では、「アタマの中にある現状」ですから、後で検証します。

4時間ですと、このあたりで一杯一杯です。顧客は誰か、競合は誰か、などは、「何となく」はわかっていても、実際に量的な検証はされていないことが多いものです。

顧客別・製品別・チャネル別の売上・利益などの必要な資料をS&Tが指定したフォーマットで出していただくよう社長室長に依頼します。

また、自社の営業ツールと商品カタログ、競合他社の営業ツールと商品カタログも収集していただくように依頼します。これが戦略BASiCSの最後の「S」、メッセージの確認です。

○Day3(1H):データ確認

ご参加者:社長室長

前回依頼したデータをいただきます。データの内容などを確認します。

○S&T分析(4H)

S&Tにて、いただいたデータを色々な角度から見ていきます。ここでどれくらい時間がかかるかは、データ次第です。あまりここに時間とお金をかけたくないので、社長室長さんが社長室の人員を使っていただき、指定通りのフォーマットでいただけたので、早く終わりました。

データ分析の結果をメールし、次回ミーティングまでに目を通していただくよう依頼します。

○Day4(3H):理想的な戦略BASiCSと現状の戦略BASiCS その2

ご参加者:社長・社長室長

ここまでの結果を

・顧客ターゲット
・強み・差別化
・メッセージ(パンフ・カタログ)

を中心に、自社と競合2社についてそれぞれまとめて提示します。予想通りの所もあれば、納得のいかないところもあるので、再度調べ直すよう社長から社長室長に指示がとびます。

顧客・製品の売上・利益のデータ分析の結果を見て、顧客別×製品別に見ると、かなり利益に偏りがあることがわかりました。S&Tは、利益の高い顧客グループと、利益の低い顧客グループの一覧表を見せながら、それぞれの違いは何かを社長と社長室長に聞いていきます。わかるところもあれば、わからないところもあります。

この時点で、あっていそうな仮説については合意します。社長と「このあたりの顧客のこの製品については伸びそうだ」と意見が一致します。特に手っ取り早く成果が出そうなことについては、早速始めることをこの場で決めてしまいます。社長室長はこのやりとりをメモし、それをどう会社として具体化して実行するかを考え始めます。

ある程度共通のパターンはつかめつつも、利益率の高低がわからない顧客や製品群も存在します。社長はこれを不思議に思い、社長室長に確認します。室長もわからないので、他部署に確認することにします。

S&Tも同行して顧客(BASiCSの「C」)については営業部に、製品の強み(BASiCSの「S」)については開発部に確認することにし、社長から営業部長と開発部長に「社長室長が聞きに行くからしっかり答えてくれ」というメールを出してもらうことにします。

○Day5(3H):社内ヒアリング

ご参加者:社長室長・営業部長・開発部長

社内のギャップ(社長と営業部、社長と開発部、営業部と開発部)や、営業部長・開発部長のタイプを把握するという副次的な(しかし重要な)目的も考え、S&Tと社長室長が一緒に、まずは営業部長に、次に開発部長にヒアリングします。その結果を社長室長と話し合います。社長室長には、再度必要なデータを追加で集めていただき、メールしていただきます。

○Day6(3H):1回目の戦略BASiCS

ご参加者:社長・社長室長

ここまでのデータ分析結果、ヒアリング結果、S&Tの経験、業界トレンドなどを考え合わせ、いよいよS&Tから戦略BASiCSの提示があります。打ち合わせを重ねてきているので、それほど違和感はありませんが、今までに色々と考えてきたことが、1枚の紙の上にばっと一覧で表示されて、社長はひたすら考えたりメモをとったりしていきます。

納得がいかないところは、社長みずから営業部長・開発部長に話を聞きたい、ということで、この打ち合わせ後に社内ミーティングを設定しました。

○Day7(6H):2回目の戦略BASiCS

ご参加者:社長・社長室長・営業部長・開発部長

ここまでのディスカッションを元に1日がかりで社内のキーメンバーも巻き込んである程度決めてしまいたい、と社長さんが決断しました。S&Tも問題ないと判断してほぼまる1日がかりで、ホテルの会議室にこもることにしました。

営業部長と開発部長は突然の参加ですが、ここまでのまとめと次回話し合う内容について事前に社長室長から説明が終わっています。

社長から、今日のミーティングの意味が説明されます。S&Tから、戦略BASiCSについて、ここまでのディスカッション結果の簡潔な内容と、今日話し合うことなどが説明されます。

・現状の戦略BASiCS
・競合の戦略BASiCS
・理想的な戦略BASiCS

について、大枠の説明がされ、社長からフォローが入ります。

意見交換とS&Tへの質問が混ざりながら、ほぼこの会社の行くべき方向性が見えてきました。

話しながら、「理想」と「現状」のギャップを埋めるような具体案も出てきますので、社長室長はそれをメモし、大体の方向性が出ました。


細かい点の確認については、社長室長・営業部長・開発部長の3人が再度ミーティングを持つことにしました。

○Day8(4H):まとめ・次回のアクション

ご参加者:社長・社長室長

これで戦略がおおよそ見えてきたので、次は行動に移します。

それが社内で全てできる、という場合にはS&Tはここで手を引き、社長のリーダーシップの元、社長室長が音頭を取り、実行していきます。社内の評価システム(人事評価など)を変える必要があれば、その変更も視野に入れます。

引き続き実行段階でもS&Tの助力が必要、という場合には、実行段階のプログラムに入ります。

いくつかの課題とやるべきことがわかったので、営業部と開発部でそれぞれプロジェクトチームを立ち上げる、というた場合には、次の「プロジェクト立ち上げ型」のようなスタイルで引き続きコンサルティングを行うかもしれません。

これで30時間(300万円)です。突然参加人員が増えるなどのことは、結構あるものですし、あっていいと思います。これは、あくまでも進行方法をイメージするための例とお考えください。

ここでは、社長もS&Tも同じ意見なら、検証に時間はかけずにそれでGo、という前提です。社員数200名以下くらいの規模であればそれでも良いと思います。もう少し丁寧に分析やヒアリングをしたい、となると、あとはどれくらい時間とお金をかけるか、となります。


「社長の右腕パターン」では、トップダウンの意味合いが強くなります。ボトムアップ的な方法を志向する場合は、次の「プロジェクト立ち上げパターン」が良いかもしれません。

 

2)プロジェクト立ち上げパターン

ここでの設定は、社長さんや事業部長さんなどが、自分の考えを組織に浸透させると共に、実行段階に中間管理職を巻き込むことによってより実行に落とし込みやすくするものです。

そのためにプロジェクトチームをいくつか立ち上げ、S&Tはそのプロジェクトのアドバイザー的な立場で、戦略的・実務的見地からお役に立つパターンです。S&Tは「お客様はどう考えるんですか? それじゃお客様の考えに合いませんよね」などの、「顧客の立場から見て、売れるかどうか」という視点に立つことが多いです。

250万円(=25時間)の契約で、コンサルティングがスタートするとします。内容は、次年度の計画づくりにおいて、事業部の10名の精鋭プロジェクトメンバーが事業部の戦略を見直す、というものだったとします。

期間は2〜3ヶ月のイメージです。

これもあくまでもご参考、例えばの例としてお考えください。状況も、ありうるパターンではございますが架空のものです。


○Day1(2H):初回すりあわせ

ご参加者:事業部長、プロジェクトリーダー1名、サブリーダー2名

事前に会社・商品の概要、顧客層、競合、抱えている課題、コンサルティングの依頼内容などについて資料やメールをいただきます。それを大体把握した上で、初回ミーティングに望みます。

事業部長から

・課題
・望んでいるプロジェクトのアウトプット(成果物)

について直接伺います。

このときは、必ずプロジェクトのトップ(社長、事業部長などの意思決定者)にご参加いただきます。ある程度の方向性(ある程度、です。実際にやってみたら違う結論になるかもしれません)を確認しておきます。トップの方向性にS&Tが違和感を感じる場合には、そこでディスカッションが生じます。その方向性にS&Tが納得感がもてなければ、S&Tがその方向性を支持することは難しいです。

チーム編成は、事業部長という意思決定者がいて、部課長クラスのプロジェクトリーダー、係長クラスのサブリーダーの下にプロジェクトメンバーが10名程度だったとします。


○Day2(4H):全体会議(キックオフ)

ご参加者:全員(事業部長+プロジェクトメンバー全員)

いわゆるキックオフミーティングです。事業部長とプロジェクトメンバー全員が参加し、プロジェクトで解決すべき課題、アウトプットを確認します。

S&Tのここでの役割は、フレームワークの解説です。2〜3時間くらいで使うフレームワークの説明をします。事前にS&T代表の本を全員お読みいただくと、2〜3時間ですみます。

その後、プロジェクトの分科会を結成します。今回は、A商品群チームとB商品群チームだったとします(あくまでも例えば、です)。サブリーダーの一人がA商品群チームを率い、もう一人のサブリーダーがB商品群チームを率いる、などの人員についてもこのときにディスカッションして決めます。

ここでS&Tは退出し、分科会に入ります。

○Day3(2H):進捗確認会議

ご参加者:プロジェクトメンバー全員

Day2〜この時点までの進捗状況を確認します。わかったこと、わからないことなどをプロジェクトメンバーに発表しあいます。

1時間くらいは分科会ディスカッションに使い、1時間で各分科会の発表・全体ディスカッション、ということが多いです。

S&Tのここでの役割は、分科会ディスカッションに入って具体的な内容・方法についてのアドバイスと、発表についてのコメントです。

その後S&Tは退出、分科会が引き続きディスカッションを続ける場合もあれば、また別の日にディスカッションするかは分科会次第です。

なお、S&Tが入る会議としては3回目(Day3)ですが、この間に分科会などのミーティングは行われていることになります。このような場は、進捗を確認し、発表し、S&Tや他メンバーからのフィードバックを受ける場です。そのような進め方にすることによって、S&Tの時間をなるべく減らし、コンサルティング費用の効率化を高めます。

ここで、A商品群、B商品群ともに、顧客ヒアリングと競合調査に入ったとします。Day4までに大筋でまとめてくることにします。それぞれに手分けして顧客に聞きに行きます。何を聞きにいくかは、戦略次第ですが、基本的には戦略BASiCSに沿ってヒアリングします。その内容について(最低限聞いておくべき項目など)S&Tと入念な打ち合わせをし、聞いてみたら何もわからなかった、ということにならないようにします。

○Day4(2H):進捗確認会議

ご参加者:プロジェクトメンバー全員

Day3に準じます。

この辺で、A商品群チームとB商品群チームで実は顧客も競合も重なっていることがわかったとします。すると、商品で切るのではなく、顧客と競合で切った方がいいということがわかれば、分科会を再編成し、X顧客セグメントとY顧客セグメントにしたとします。

S&Tの役割は、これまでの経験、他業種の知見などを交えながら、顧客セグメントの切り方、競合のとらえ方などをアドバイスしていきます。

○Day5(4H):中間報告

ご参加者:全員(事業部長+プロジェクトメンバー全員)

このあたりで、一度中間報告をします。顧客、競合についてわかったことを報告し、これからの方向性を事業部長(意思決定者)に確認します。別に美しいプレゼンテーションである必要はありません。戦略がしっかりしていれば、手書きでもホワイトボードでも構いません。

このときのS&Tの役割は、全体状況の把握です。プロジェクトメンバーの発表にコメントする一方で、事業部長との乖離があれば、問題は何か、どう解決するかを、客観的にコメントします。S&Tの視点は常に「組織として求める成果を最大限にするためにはどうするべきか」という立場に立ちます。通常その視点が事業部長(意思決定者)と乖離することはそれほどありません。

○中打ち合わせ(2H)

ご参加者:事業部長、プロジェクトリーダー1名、サブリーダー2名

このあたりで、事業部長、リーダー、サブリーダー2名と方向性の確認をします。方向性が予定調和的になっていると、成果が見込めない(今までとあまり変わらない)一方で、方向性がかなりずれていると全体戦略と合わなくなったり、あまりにアクションが大きいと資源(人、金、時間)の問題が起きます。

ここで揉めることは少なくありません。事業部長が怒り出すこともありますが(その場合はS&T、リーダー、サブリーダーひっくるめて怒られます)、それでも違うと思えばそこでディベートになりますし、もっともだと思えば、そこでどう軌道修正するかを考えます。間をとりもってどうこう、ではなく、S&Tは「組織として求める成果を最大限にするためにはどうするべきか」という視点に立ちます。ですが、「組織として求める成果」が何であるかの定義は意思決定者の意見が強く反映されますので、その限りにおいては意思決定者さんの意見を汲むことになります。一方で、実行するのはプロジェクトメンバーの方々ですから、その意見が尊重されないと、実行されません。

S&Tは外部の人間なので、外部の意見として客観的に、しがらみなどを考えずに(ある意味では無責任に)意見を出します。部下の方は事業部長に直接ものを言いにくいこともありますが、S&Tにはそういうしがらみはあまり無いので(意見を言ってS&Tが切られたらそれはしょうがありませんし、意見を言ったら切られるようなご依頼なら多分最初の時点で受けないと思います)、言い方は丁重ですがズケズケとモノを言います。

○Day6(3H):進捗確認会議

ご参加者:プロジェクトメンバー全員

進行はDay3に準じます。

この辺で、大筋の戦略とアクションプランが出てきます。それが効果的かどうか、ヌケモレは無いか、顧客にとってはどうか、プロジェクト全体でS&Tも混じって考えていきます。3時間で終わらなければ、発注者さん同意の上で時間延長をします。

○Day7(2H):最終確認会議

ご参加者:プロジェクトメンバー全員

ここは、最終確認の場になります。具体的に詰める場です。この期に及んでの大幅修正はあまりあり得ませんので、発表内容のチェックなどがS&Tの主な役割になります。

○Day8(4H):全体会議(コンクルージョン)

ご参加者:全員(事業部長+プロジェクトメンバー全員)

最後の締めのミーティングです。プロジェクトメンバーから、事業部長やその上司の社長まで含めたプレゼンテーションです。組織としては「行動宣言」です。

ここで、これから何をするか、人・モノ・金をつけていきますので結構重要な場面です。

プレゼンでは、

・戦略:全体の方向性
・数値目標:どのような成果を出し、どのような数値が出たら成功とするのか
・実行プラン:誰がどんなことをするのか
・評価方法:その成果をどう測定するのか

までのPDCAサイクルをカバーすることになります。


ここで大騒ぎになるほどひっくり返るということはあまりありません(なくもないですが)が、100%同意される、ということもあまりありません。2〜3割の部分の齟齬が残り、そこはどうするのか、というところまで同意して、このプロジェクトは完結します。

あとは、この実行プロジェクトが社内で立ち上がる場合もありますし、各実行プランの責任者がしゅくしゅくと引き継いで行く、ということもあります。実行後、3ヶ月後くらいにまた見直し会議に呼ばれる、ということもあります。

これでコンサルティングが終了、25時間(=250万円)ですね。割とスムーズに進んだ場合です。これもあくまでも進行をイメージしていただくための例とお考えください。

このあと、実行レベルのフォローが必要、となりますと、今度は実行レベルのプログラムに基づいて再びコンサルティングプロジェクトが立ち上がる、ということになります。

ちなみに、「社長の右腕パターン」で経営陣が戦略を決め、それを実行レベルに落とし込むために「プロジェクト立ち上げパターン」に続けていく、という方法はお互いに相性が良いです。

 

3)特定課題解決パターン

喫緊の差し迫った課題がある、という場合に適したパターンです。S&Tをマーケティングのエキスパートの知恵袋兼プランナー的に使う場合です。

例えば、

・今年の最重要新商品の売り出し方を1ヶ月で徹底的に詰めたい
・重要なイベントの企画を手伝って欲しい
・重点顧客セグメント攻略に力を貸して欲しい

というような場合に適しています。


また一つ進行方法を例示いたします。マーケティング部長が、数ヶ月後に行われるイベントのコンセプトに悩んでいたとします。日本全国から重要顧客、ぜひ獲得したい顧客を招待する年1回の重要なイベントなので、しっかりしたコンセプトを立てたいが、その知恵袋兼プランナーが欲しい。1ヶ月で企画を練りたい、ということでS&Tに依頼が来たとします。

チーム編成は、マーケティング本部長とイベント担当者さん2名とします。

これもあくまでもご参考、例えばの例としてお考えください。状況も、ありうるパターンではございますが架空のものです。

予算は150万円、15時間とします。

期間は1ヶ月のイメージです。

 

○Day1(2H):オリエン

ご参加者:マーケティング本部長+ご担当者2名

本部長から、今年の課題、競合状況、顧客の状況、今回のイベントの位置づけ、などのブリーフィングをいただきます。

この時点で、1時間程度本部長さんとS&Tで企画の方向性について、「これはどうか?」「それは無い」などの方向性を絞っていきます。

製品や競合などについて必要な資料をご担当者さんにお伝えして、後日送っていただきます。

○Day2(3H):方向性の絞り込み

ご参加者:マーケティング本部長+ご担当者2名

この時点ではまだフリーディスカッションのような話しあいですが、2時間程度色々とアイディアを出し、話し合った上で、最後に戦略BASiCSなどのフレームワークで論理性をチェックします。最終的にコンセプトの方向性を2〜3個に絞ります。

○S&T作業(2H):コンセプト案作成

ざっくりとしたコンセプト案をS&Tにて考えていきます。この際には、パワーポイントではなく、手書きであることも多いです。少人数(この場合3名)であれば、その方々がご理解いただければよく、それでよいというご承認をいただいた上で手書きで書いていきます。

○Day3(3H):骨格の完成

ご参加者:マーケティング本部長+ご担当者2名

手書きのコンセプト案について、「この案はここがいいけどここが不足」「でもこのターゲットはこうですからこれ以外は難しいですよ」などのディスカッションをしていきます。そこで、コンセプト案を1つに絞ります。

時間がなければ、その場でS&Tが手書きで大体の骨格を作ります。ホワイトボードやA3の紙に書いていきます。

ミーティングのあと、担当者さんがパワーポイントの作成に入ります。それは、S&Tの時間を削減する(=費用を抑える)のと、担当者さんの企画力向上の両方のためです。完成したらS&Tにメールいただき、注意事項やアドバイスを加えた上で担当者さんに再度お戻しします。

○Day4(3H):コンセプト完成

ご参加者:マーケティング本部長+ご担当者2名

最後に論理性、具体性、わかりやすさ、などを詰めていきます。さらに、この方向性の元でのDMやイベントの落とし込み方などについて話し合います。

時間が無い場合にはミーティングをしながらノートパソコンを立ち上げ、その場で画面をにらめっこしながらコンセプトを完成させます。

○Day5(2H):制作会社へのブリーフィング

ご参加者:マーケティング本部長+ご担当者2名+制作会社さん

実際のDM作成、ブース作成、などはそれぞれの各制作会社さんが行います。S&Tは発注者さんの立場で、制作会社さんにコンセプト、それに至った背景、DMやブースへの落とし込みの際の注意点、絶対に守るべきこと、などを伝えます。

これでS&Tとしては作業が完結します。

このミーティングは発注者さん側でやるから、もう少しコンセプトを煮詰めたい、という場合もあって良いと思います。そのあたりは進行次第で柔軟に対応します。


この後、実際に制作を行っていく際にまた力を貸して欲しい、ということであれば、また別途やり方を考えていくことになります。


この進行方法は、大分時間がないことを想定しています。イベントやDM制作などのプランニングは、とかく時間が無い中での進行になります。時間の制約がある中でしっかりした企画案を考えたい、というときに適していますね。

 

4)社員力引き上げ・共通言語共有パターン


社長が「社員のマーケティング力・営業力などの引き上げ・底上げ」を行いたい、という場合に適したパターンです。

若手が多い会社や、社内の育成システムが「一子相伝」のような形で「見て覚えろ」型の場合には、仕事の仕方がバラバラで、共通言語も無いので、社員力を引き上げと同時にある程度の「型」を作りたい、という場合に適しています。

ここでの設定は、営業組織50人を部下にもつ営業本部長が発注主さんとします。営業部長・課長も30代以下と若く、学ぶ意欲もあるので、勘と経験で凝り固まらない若いウチに、基本の「型」を身につけてもらいたい、というものです。

これもあくまでもご参考、例えばの例としてお考えください。状況も、ありうるパターンではございますが架空のものです。

○事前会議(3H):戦略の合意

ご参加者:営業本部長

まず、最初のミーティングでは、戦略のすりあわせ・合意をします。社員力の引き上げを図るにしても、どの部分をどう引き上げるかは戦略によります。特に、どのような差別化戦略をとるのかによって営業スタイルも変わってきます。

業種業態の状況、会社の状況、顧客、競合などのヒアリングを行い、S&Tが簡単に戦略BASiCSを確認し、話して大体それでOKとなれば、どんな方向で営業力の強化を引き上げるか、最初の3回分くらいのプログラムをその場で(あるいは持ち帰って)組みます。

参加者は、営業課長代理以上のメンバーで毎回15名程度、月1回、午後に半日4時間程度の勉強会形式で行うことにしたとします。

○Day1(4H):マーケティングの基礎

ご参加者:営業本部長+営業課長代理以上15名

まずは、ベネフィット、ターゲット、差別化、などの基本的な概念の用語統一も含めて、「ドリルを売るには穴を売れ」を読んだ上で確認することにしました。自社商品をとりあげてこのフレームワークで分析するグループディスカッションも合わせて行います。

自分の課題商品についてこのフレームワークで次回までに分析してくる、という宿題を営業本部長から出され、各人が宿題として考えてくることにします。

○Day2(4H):戦略の基礎

ご参加者:営業本部長+営業課長代理以上15名

1ヶ月後に2回目の集まりです。宿題の発表とS&Tからのコメントをまずは行います。

今回は、戦略BASiCSについて、です。前回のマーケティングの基礎を踏まえつつ、戦略へと発展させます。事前図書は「白いネコは何をくれた?」です。ここでも自社商品を例にとってグループディスカッションをしたりします。

再び営業本部長から宿題が出されます。3ヶ月後に出る新商品について、全員が戦略BASiCSで考え、営業の方法を考える、というものです。

○Day3(4H):マインドフロー

ご参加者:営業本部長+営業課長代理以上15名

基本がここまでで終わり、ここで、実際の営業方法を見直してみることにしました。マインドフローの考え方で、第一次接触時、第二次接触時、リピート促進時などの営業方法を考えなおしてみることにしました。

またまた営業本部長から宿題が出ます。この考え方で、自分の営業方法を2つ以上改善し、必ず実行した上でうまく行っても行かなくても報告する、というものです。段々みんなこの方法に慣れてきました。

○Day4(4H):販促ツールの見直し

ご参加者:営業本部長+営業課長代理以上15名

商品パンフレットなどの販促ツールを作り直すタイミングになりました。せっかくなので、ここまでの学びを活かしたい、ということで商品パンフレットをどう作り直すが、考えることにしようとの営業本部長の意向です。

S&Tはここまでの勉強会用の資料のなかから、「ベネフィット」「ターゲット」「強み・差別化」「メッセージ」を取り出し、誰にどんな価値を伝えるか、というマーケティングの基本を復習します。

あとはグループに別れて、各商品の基本的なベネフィット、ターゲットを話し合い、誰にどう伝えるか、というディスカッションを行い、改善案を話し合いました。最後に発表し、S&Tがコメントした後、例によって営業本部長から「ここまでのことを使って改善するように」との宿題が出ました。


次回については、また営業本部長が何やら考えていらっしゃるようで、決まり次第S&Tにメールが来ることになっています。

この場合、毎回営業本部長にご出席いただくことが非常に重要です。内容を把握していただくため、進歩したメンバーを褒めていただくため、「これは大事だ、真剣なんだ」というメッセージを出していただくため、など色々あります。少なくとも最初の挨拶と最後の締めのときくらいにはいていただきます。

たまには、温泉に泊まってやってみる、というのも面白いです。


このような場合は、毎月、各時間分のご請求をさせていただきます。毎月4時間ですので、40万円(+税)のご請求となります。

この方式ですと、特に課題解決ということはありませんが、「ベネフィット」「BASiCS」などの共通言語を作りながら、毎回毎回そのときの営業上の課題、販促のテーマなどに合わせて実戦的に身につけていけます。課題解決というよりは「戦力引き上げ」が必要というときに適しています。

 

 

以上、S&Tの使い方を例示いたしました。この方法に限らず、自社の状態・課題などに合わせて、どう使うか次第でうまくお使いいただければと思います。

プログラム内容については、メニューのページで別途ご説明しています。

プログラム × 進行方法(ここでは上記の4パターン)

で、色々なS&Tの使い方があるかと思います。通常は、最初のすりあわせミーティングなどでどういう使い方が良いかを話し合って決めることになります。


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